2015年2月25日水曜日

とかち野酵母のこと

パンづくりには絶対欠かせないのが「酵母菌」

酵母菌はビール酵母とかワイン酵母とか醤油酵母とか色々あるけれど
パンもこれが無いとパンは作れない。


イースト菌は自然界に存在する酵母菌の中から
発酵力の強い菌を選んで抽出して純粋培養しているもので、
短時間に安定して発酵をさす事ができるパン酵母です。


このイーストの違いでパンの仕上りが随分変わってくる。


私も色々試してみた。

スーパーに売っている一般的なドライイースト、
フランス製の製菓製パン店に売っているドライイースト、
ホシノ天然酵母、
自家製天然酵母、
白神こだま酵母、
パネトーネマザー…

初めてパン作りをしたのは高校生の時、
当時は一般的なドライイースト意外の酵母の存在を知らなかったので

家庭で作るとこういう臭いがするのか…
やっぱりパンは素人が作るものでは無いのか、とがっかりした。

それでも面白いから幾度となく家庭での製パンに勤しんでいた。

結婚してからホームベーカリーを購入。
10年前のこと。

「天然酵母コース」というものが機能が付いていたので、
天然酵母(ホシノ天然酵母)を入手して早速作ってみた。

そのパンの美味しいこと!!!

それから数年は「ホシノ天然酵母」だけでパンを作っていた。
時間はかかるものの、ホームベーカリーに材料を投入すれば自動で出来上がる。
当時は焼きっぱなしの食パンした作っていなかったらその発酵時間は気にならなかった。

ホシノは純粋培養の酵母ではないからから、
発酵力は強く無い。
でも、その香りや味は他には代え難い、滋味深いものがある。

だんだん欲が出て来た私は

自家製酵母を製造。

りんごから酵母を作った。



ナチュラルな気分になれるのは良いとして、
朝食に効率よく美味しいパンを食べたい私としては
あまりにも不安定で手のかかる酵母だった。
しかも正直そんなに美味しいものでも無かった

白神、パネトーネは発酵力はあるけれど、
自家製酵母同様、酵母の香りが淡白だった。

フランスの「サフ」というドライイーストは
昔嫌気がしたような臭いが無いので、
工業製品のようなパンを作るのであれば、これが良いと感じた。


そして3年前、北海道に移住してから出会ったのが

「とかち野酵」



これは素晴らしかった!


「とかち野酵母」は十勝の厳しい自然の中で自生するエゾヤマザクラから採取された
花やサクランボから分離された酵母菌の中から発見された酵母。

帯広畜産大学と北海道農業研究センターの取り組みにより発見されたという
「日本甜菜糖株式会社」という砂糖の会社の製品。

この酵母は人手をかけた品種改良は行っていない、いわゆる野生酵母。

自然界から分離された酵母には珍しく、発酵力に優れていて、
市販のドライイーストと同じくらいのスピードでパンが出来る。
(白神やパネトーネもそうか…)

ホシノや自家製酵母の様に前日から生地を仕込む必要が無いから
ちょっと早起きすれば朝から生地を仕込んでも成形パンつくる事ができる。

予備発酵が必要(所要時間15分)

私がこの酵母が大好きなところは、安定した発酵力もさることながら、
きめの細かい生地と、焼き上がりの独得なフルーティーな香味…。
(サクランボの香り!…とは全く関係が無いそうだが。)


北海道の厳しい自然を生き抜いた力強い生命力を持った香り高いパンが
手軽に楽しむことができる…
なんだか嬉しい気持ちになる。

でもなぜか、どこでも売っている訳ではないのが残念。
自然食品店や製菓製パン店に行くと、白神やホシノは絶対に売っているけれど
「とかち野」はあまり見かけない。

ホシノのレシピ本は本屋にも図書館にも沢山あるけれど
「とかち野」のレシピ本は1冊しか存在を確認できていない。
でも、それすら見た事が無い。

頼まれた訳でも何でもないが、
「とかち野」ファンとして、私は滋味に普及活動に勤めてゆきたい。


正直、ホシノ酵母の香りと素朴ながらも美しい仕上りは完璧。

麹から作っている酵母だから日本人にDNAにみごとにマッチするんだろう。
確かに実に美味しい。
だから私は「とかち野」ファンであると当時に
往年のホシノファンでもあるのでホシノパンも併せて作り続けるつもり。












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